「人と人」、「まちと人」をつなげることで、未来の子供たちの幸せの実現を目指すために、ローカルメディア事業、クリエイティブ事業、学びと交流事業を軸に活動しているまちづくり法人山梨タンク。今年設立されたばかりの団体だが、甲府経済新聞やアースデイ甲府など様々な活動をスタートしている。今回は、そんな山梨タンクの設立にかかわった大学生、功刀なつさんに活動についてインタビューした。
また、功刀さんのほかの活動、山梨クラウドファンディングとまゆカフェについても聞いた。
目次
引用元:まちづくり法人山梨タンク(https://yamatank.jp/)
NPO法人「山梨タンク」の始動
ーー最初に自己紹介をお願いします。
はい、山梨大学の生命環境学部地域社会システム学科3年の功刀なつと申します。
プロジェクトとしては、山梨タンクの設立委員会と、クラウドファンディングの学生サポート、まゆカフェの運営をやっています。
山梨タンクでは、アースデイ甲府の実行委員長と甲府広域経済新聞のライター活動をしています。
ーーまずは山梨タンクからお聞きしていこうと思います。山梨タンクはどのような団体ですか。
山梨タンクは、地域課題を解決することをメインに活動している団体です。
例えば、その地域の経済新聞を通じてニュースを発信することで山梨を盛り上げたり、山梨ウェルネスツーリズムの推進協議会と提携して、新しいものを作り上げようという取り組みがあります。
古民家の再生や空き家の活用も将来的に取り組んでいけたらいいと考えています。山梨の課題を解決しつつ盛り上げていくことが最終目標です。
ーー山梨タンクを立ち上げた経緯を教えてください。
私は高校で放送部に入っていてアナウンス部門を担当してたのですが、そのアナウンス部門が自分で山梨の行事やイベントについて取材に行き、1分半の記事を書いて発表するという、とても大変な部門でした。
それで、元々記事を書いたり人に届く文章を書いたりすることが好きで興味があって、澤先生という方から、「経済新聞やりたいって言ってる人がいるんだけど、どう?」と誘われて、私も「記事を書きたいです」と言って経済新聞に参加しました。
その後、横浜の経済新聞を運営している杉浦さんという方がアースデイネットワークの運営にも入っていて、「山梨にまだアースデイがないからやってみない?」と声をかけていただきました。
そして、運営の方たちで集まって、アースデイにチャレンジしてみようという運びになりました。
アースデイや経済新聞は、結局は地域課題の解決なので、活動していくに当たり法人化した方が資金繰りなどやりやすい面があるということで、山梨タンクをNPO法人として立ち上げていくことになりました。
地元密着型の経済新聞を山梨に
ーー山梨タンクのきっかけになった甲府経済新聞について教えてください。
そもそも、みんなの経済新聞というネットワークがあり、横浜や東京など全国各地に存在します。山梨は富士五湖や八ヶ岳の方にしかなくて、地域経済新聞が不足していました。そのため、甲府広域という立場で山梨全体をカバーする経済新聞を立ち上げることを決定しました。
ライターとしては学生もいますし、プロのライターとして活動している方々もいます。趣味の一環ではなく招かれて加わったり、他の企業を運営している社員や社長など、山梨に興味を持つ方々が参加しています。
全員がプロのライターではないため、既存の経済新聞の編集者の方に添削を受けながら記事を執筆し、修正を行っています。
ーー経済新聞での活動の目標はありますか。
既存の経済新聞では、お祭りがあったよとか新しいお店がオープンしたよという記事をたくさん書いています。
地域の方々や、山梨を出てしまったけど地元が山梨の方、山梨に移住してみたいと思ってる方が、この甲府経済新聞を見て「あ、山梨こんなお店オープンしたんだ」とか、「このお祭りめっちゃ懐かしい」とか、そういうことをキャッチしていただける場になったらとてもいいなと思います。
ーー大学卒業後も続けていく予定ですか。
そうですね、今は学生だからこそできることがあると思いますし、社会に出たら社会に出たからこそ書けるものがあると思います。
元々好きでやってることなので、関わり方は変わっても何らかの形でできたらいいですね。
それに、新しく学生がライターに入ってくれているのでもし私がいなくなっても経済新聞は多分ずっと続いていくかなと思います。
ーー地元の方との協力はありますか。
記事は地元に密着したものなので、お祭りの運営している方やクラウドファンディングの方になぜやっているのかというお話を聞いたり、山梨タンクの活動を町議会で広報をさせてもらったりしています。
その方たちも、「 いいよ、やってみなよ」というポジティブな応援スタンスでいてくれているので、場所も使わせていただいています。
でも、最終的にはもっと広く関われたらいいなと思ってます。
実行委員長になり、地球のことを考える日「アースデイ」をけん引
ーー 続いて、アースデイ甲府について教えてください。
アースデイは、国連が4月22日に定めた地球のことを考え、感じ、行動する日です。
簡単に言うとそういう感じなんですけど、マルシェや講演会など取り組み方は本当に色々で、各々が地球のこと考えたり行動する日です。
そして、全国各地にあるアースデイネットワークを山梨にも持ってこようってなったのがアースデイ甲府になります。
ーーアースデイ甲府では実行委員長をやられてるとお聞きしたのですが、どういう運びで実行委員長になったのですか。
山梨タンク自体は、葛西さんという方が理事をやってくださっているのですが、アースデイ甲府は活動の一環とはいえ一つのイベントなので、広告塔になる学生の実行委員長が必要という話になりました。
私は、自己成長できるものには何にでもチャレンジする精神で学生生活送ってるので、私が前に立つことによってラジオやテレビに出た時に目立つものになるのであればやらせていただきますと言って実行委員長になりました。
ですので、アースデイ自体に私がすごく興味を持って私が始めようって言ったというよりかは、お勧めしていただいて、私が実行委員長になってもっと盛り上がるならと思ってやりました。
ーー実行委員長としてはどんなことをされていましたか。
出店者の方に声をかけたり、私自身が相談して喋ったり、司会をやったり、あとはラジオに出たり取材を受けたりしてます。
日常の活動ではイベントの準備、宣伝、出店者募集が多いです。
他のアースデイでは大人の方がやってて、若者はアースデイユースという場で活動しているのが基本です。ただせっかく私がやってるのだから、私が表に出て色々発信していけたらと思ってます。
ーーアースデイには、経済新聞のライターさんも所属されているのですか。
興味を持っていただけたらお手伝いしていただくと思います。
ただ、経済新聞のライターさんは経済新聞をやりたくてライター活動したくて来ていただいてる方が多いので、1番最初の発足メンバーがそのままアースデイの実行委員会になっているイメージです。
ーーアースデイでの目標を教えてください。
私個人としてはみんながアースデイの存在を知ることで、それぞれがそれぞれの方法で地球のことについて考えたり、自分の将来、未来について考えるきっかけを与えられるようなイベントになることです。
でもやっぱりアースデイとしては、山梨でアースデイが大きくなりみんなに知ってもらえたらうれしいです。
さらに、せっかくアースデイネットワークが全国にあるので、全国のアースデイとも交流しながらできることの幅を増やしていけたらと考えていて。
アースデイネットワークの月1回の定例ミーティングで様々な人が集まるので、そこの方と一緒に何かできたらとか、相談していただけたらとか、できることが増えていったらいいなと思ってます。
クラウドファンディングで人と人をつなぐ
ーー他にも山梨クラウドファンディングをされていたそうですが、こちらはどのような活動ですか。
クラウドファンディングは、簡単に言うと山梨でクラウドファンディングを頑張りたいとか、山梨でクラウドファンディングを頑張ってる人を応援したいとか、そういう人が繋がる場です。
そこで学生サポートという形でページ作りのお手伝いをしたりとか、イベント関連のお手伝いをしたりとかしています。
ーー活動のきっかけは何ですか。
友人が1年間クラウドファンディングで頑張ってるのを見ていて、色々な人に関われるのが面白そうだと思ったのが1番のきっかけです。
あと、1年の時にやっていた大学の授業科目、フューチャーサーチの方でもクラウドファンディングを活用していたのもあって、どういうことができるのか私自身すごい気になっていたので参加を決めました。
ーー学生サポートとしてやりたいことや目標はありますか。
先日、クラウドファンディングサイトのキャンプファイヤーの本部の方に、サポーターとしての役割や活動の仕方を教えていただきました。
私も1年間学生サポートとして活動はしてきたものの、もっとできることがあったな、もっとこうすればよかったなと考えさせられました。
それを踏まえて2年目は、クラウドファンディングやる方も初心者で不安なことも多いと思うので、1年やったからこその関わり方、クラウドファンディングの盛り上げ方、成功までの導き方を、私たちがサポートできる部分をもっと増やしていけたらいいなと思ってます。
価値のある情報、新たな関わり方を大学生と社会人に
まゆカフェとは・・・頑張る学生と社会がつながるコミュニティをコンセプトに、よりよい大学生活を送れるように様々なイベントや情報を提供するプラットフォーム。
ーー最後にまゆカフェの活動内容についてお話していただけますか。
ビラを作ったり、学生に広報をしたり、大学生にしかできない大学生への関わり方がメインです。
企業の方に大学生はこういうことを求めてますよというお話をさせていただいて、学生だからこそできる切り込み方を求められてると思います。
具体的には、まゆカフェの場所の貸し出しだったり、企業さんのインターンシップの企画に関わらせていただいて、ミーティングを重ねてインターシップ作り上げていったり、まゆカフェの学生さんたちとイベントをやるのに関わらせていただいたりとかです。
あとは社会人との座談会や、将来的に就職先になるような企業さんとの座談会を開催してます。
引用元:まゆカフェ(https://silkgarden.jp/daily/2067/)
ーーまゆカフェのきっかけを教えてください。
大学2年生の時にプレイフルネスという学生団体の運営をしてまして、そこで座談会を開いた時に来ていただいたゲストの方がまゆカフェの上嶋さんでした。
上嶋さんに新しく学生と社会人、企業が交流する場を作りたいので、ぜひまゆカフェに入ってほしいという話をいただいて、できることがあればやりますという形で入りました。
ーーまゆカフェの運営は何名くらいですか。
社長の金井さんと上嶋さんと私ですね。3人でやっています。
ーーでは、学生は功刀さんだけ。
前はいたんですけど、チャレンジしたい学生と、もうすでにチャレンジしてる学生の活動量や活動方針が合わなくて、だったら少数制でやって、イベントではお手伝いの学生さんたちに入っていただく形になりました。
運営はほんとに少ない人数です。
ーー運営として、今後への思いを聞かせて下さい。
はい、私自身学生生活の中で、自分が求めている企業と関わる機会がとても少ないなと感じていて。
学内ネットワークではイベントやりますというお話はあるんですけど、やっぱり求めてるところと違うなとか、これ聞きたかった話じゃないなっていう部分がすごくありました。
これから私も就職活動になるんですけど、大学生たちにもっと価値のある情報が行ったらいいなと思いますし、社会人の方、企業の方々にも、学生はこういうことを求めてるんだと、もっと知っていただいて、新しい関わり方を見つけていただきたいです。
多分お互いにわからない状況のまま来てると思うので、もっと密に関わり、山梨県の就職や、大学生の進路の幅を広げたり、そういうことをしたいです。